不要と回転

屋根代わりになる草木さえあれば、家など要らない。
寒さに凍える冬さえなければ、衣服など要らない。
  ──あるいは、常に燃え盛る焔とともにあれば、やはり衣服など要らない。
毎日実る果実と豊富な貝が漁れる海岸さえあれば、他に食糧も要らない。
  ──まあ多少は耕したり畜産してもいいけど、でもやりすぎてはいけない。
呪術と祈祷によって健康と和平と家族さえ得られるなら、医者も薬も国家も要らない。

知りたいのは、お金を儲ける方法ではなくて、お金がなくても生き延びる方法なんだけどな。

天下にお金が回れば、経済は良いのだとよ。
ならば回せ回せ、どんどん回せ、目まぐるしく、息切れしても、倒れても、休まず回せ。
お金というのは、ハムスターの回し車みたいなもんだ。そう考えると随分虚しい。
無意味な回転運動。経済の本質は詐術から成っているに違いない。

John Lennon sung:
  I’m just sitting here watching the wheels go round and round
  I really love to watch them roll
  No longer riding on the merry-go-round
  I just had to let it go

もっとも、ただひたすら回り続けるものの中には、偉大なものもある。
地球の自転、公転、太陽系の、銀河系の、宇宙の回転運動とか。
もしかしたら時間も、円環を描いていないとは言えまい。
ボルヘスならそう言うだろう、あるいはニーチェの永劫回帰もまた……

Tail-Lagoon @ 03:53

コメントおよびトラックバック受付中です。
TB : http://weblogs.tail-lagoon.com/NodalPoint/2010/10/19/66/trackback/

2 件のコメント/トラックバック

  1. クラブレ : 2010.10.31 (日)22:01

    静かな言葉が、深く入ってくるので、心地いい。
    経済の無意味な回転運動は、今を的確に現している。
    やはり、Tail-Lagoon氏は、只者ではない。

    いつも楽しみにしています。


  2. Tail-Lagoon : 2010.11.15 (月)22:03

    あ、おひさしぶりです。いつも身に余りすぎて過大なるお褒めの言葉ありがとうございます。でも私は「誉められてもいっこうに伸びない子」なので、どうにもなりませんよ?
    もっとも、「貶されるとへこむ子」でもありますが……(笑)


コメントをどうぞ

この投稿へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読できます。