2011/03/01(火)
グリンガ、おれはそのあと学んだんだ。もうすぐ死ぬが、まだ、そのことがわかっていない人間たちの目にそんな視線が浮かんでいるのを。ときどき、そんな連中を見かけるが、そんなときには誰が、いつ、最初に死ぬか、おれたちにはわかるんだ。その視線には距離みたいなもの、内側を見つめているようなところがあって、それがこうおれたちに言うからだ。『わしを見ろ。わしはもう死ぬ。わしには死ってものがまだわからんが。だが、それはわしがまさしく自分を外側からじゃなくて内側から見ているからだ。おまえはわしを外側から見てる。わしの言うとおりかどうか教えてくれ。坊主、わしをひとり、淋しく死なさんでくれ』
(『老いぼれグリンゴ』フエンテス 安藤哲行 訳)
うろおぼえだが、確かリルケが同様なことを書いていたような記憶が……。マルテじゃなくて、たぶん詩のほうで。
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Tail-Lagoon @ 14:33
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2007/06/27(水)
死は理解しがたいものであり、人間が死とは何かを正確に把握するのはいつだって不承不承にである。ミシェルは二十年前に祖母の遺骸を見、最後の接吻をした。ところがこのたび、彼は墓穴の中にあるものを見て驚きを覚えた。祖母は棺に納められて埋葬された。しかしながら最近掘り返された土の中から出てきたのは、木の破片、腐った板、そしてより定かならぬ白い物体のみだった。目の前にあるのが何かに気づくやいなや、彼はあわてて顔をそむけ、あらぬ方に目をやろうとした。しかし遅すぎた。彼が見たのは眼窩のうつろな、泥にまみれた頭蓋骨で、そこから白髪の塊が垂れていた。脊椎がばらばらになって土に混ざっていた。死とは何かがよくわかった。
(『素粒子』ウエルベック 野崎歓 訳)
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Tail-Lagoon @ 13:11
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