シュッポンタップ = ガス抜き

『フーコーの振り子(上)』エーコ/文春文庫『フーコーの振り子(下)』エーコ/文春文庫
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ベルボを憤慨させる唯一のものは、他人の取り乱した態度で、それに対する返礼の意味をこめた彼の取り乱した態度は、あくまでも店の中だけに限られた内輪喧嘩のようなものにすぎなかった。まず唇を固く結んで天を仰ぎ、それからうなだれて首を左にかしげ、最後に穏やかな口調で「シュッポンタップ」と呟く。相手がそのピエモンテの表現を知らない場合には説明することもあった。「シュッポンタップというのは、栓を抜きなさい、という意味で、腫れあがった人間に対して使うんですよ。こういう状態では、お尻に詰めてある栓に異常な圧力がかかっていてどうしようもないですからね、そいつを抜いてやるのです。プシューッ! これで正常な人間の状態に戻れるというわけです」

(『フーコーの振り子』 ウンベルト・エーコ 藤村昌昭 訳)

世の中には脹れあがらざるをえなくなる事態が多すぎる。だからこの魔法の言葉「シュッポンタップ」と呟いて、いつでも「正常な人間の状態」に戻れるようにしておかなければ。

  
  

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