2010/05/24(月)

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トニー・ガトリフ監督 / 1995年 / フランス
モンドというこの少年の在り方をどう思う?
寂しさはあるけれど、悲惨さはない。社会、文明からはぐれた人間の生。
映像化されたル・クレジオの作品を観て改めて感じたのは、処女作『調書』にも現れていた、逸脱した人間の根源的な存在感と生命そのものの輝きだ。
モンドというかけがえのない少年。それは、単なる「かけがえのない生命」などという言葉に代表されることのない、ただひたすらモンドでしかない存在としての、かけがえのなさ。
フィクションであるにも関わらず(あるいはフィクションであるからこそ)彼の生活の奇跡的な在り方が、美しい。
これは本当に美しい映像作品だ。
原作も映画もどちらもいい作品というのは、なかなかないのだけれど、これはどちらもいい。
もともと、映像化できる作品なら、最初から映像作品として作ればいいし(わざわざ文章で書く必要なんかないだろう?)、逆に文章作品は映像化できない領域をこそ目指すべきだと常々そう考えているぼくとしては、もし小説を映像化するならば、それなりの映像の強度が必要だと思う。だから、映像作品はたとえ原作があったとしても、絶対に原作の〈言葉〉に頼ってはいけない。
そういう意味で、ガトリフのMONDOは、映像作品として、ちゃんと原作と拮抗した力を得ていると感じた。(おっと、偉そうな物言いをしているけれど、ぼくはもともとそんなに映画は見ないし詳しくもないけどね)
Filed under: Impression | タグ: ル・クレジオ, 自由
Tail-Lagoon @ 23:59
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