岩影に蠍が尾を高々と振り上げて獲物を待ちかまえている。白昼の砂漠。在るのは陽炎に揺らぐ地平線と熱風がもたらす完全な乾燥だけ。命無き者のようにただじっと獲物を待ち続けるほか蠍には何もすることがない。だが、獲物を待つ、その一瞬一瞬、それこそが蠍の生なのである。そして今、風は途切れ、砂は転がり滑るのを止め、地形の輪郭は明確に研ぎ澄まされ、影が己の境界線を黒々と静止させる。砂の一粒一粒が克明に存在の色を明らかにして、塵を大量に含んだ空の粒子と対立し、身動きひとつしない蠍を同化させる。蠍は待つ。生命の単調。その退屈な緊張。跳ね弾ける寸前の姿勢のままで保たれた持続する生。時間は止まっているかのように過ぎてゆく。太陽が過酷な視線を彼に投げかけ、彼の眼の中で世界は、全てが赤く虚ろに燃える。

Tail-Lagoon @ 00:00

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