駱駝

 星の無数に瞬く砂漠の夜。日中の過酷な運搬労働から解放された駱駝が、長い睫毛を震わせて寝そべっていた。皮下に染み込んだ白昼の灼熱を、今は少しずつ背中のこぶから逃がしているところだ。彼の放出する陽精の名残が、暗い大気を掻き乱し、速やかに化合して、青白い影をたちのぼらせた。太古からの風が吹きつけ、砂中深く埋没した都市の亡霊が天幕に浮かび上がった。砂のさざめきに洗われ呑み込まれて幾世紀を経過した日乾煉瓦の、その街並みの一切が宙へとうねるように投影され、そして記憶に彫刻された。音符のように配列された楔形文字の記憶として。──駱駝はそれまでずっと背中に感じ続けていた人荷の重さを忘れ、砂丘の緩やかな下降線に自らの生命を重ね合わせた。真昼の夢は流星となって消えていった。

Tail-Lagoon @ 00:00

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